中茎 隆准教授

准教授

中茎 隆

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制御工学と生物学を融合し、細胞の制御メカニズムの解明を目指す

上皮成長因子(EGF)受容体誘導シグナル伝達系の数理モデリング

細胞の大きさは直径数〜数十マイクロメートルで、私たちの裸眼では小さすぎて見ることができません。細胞内には、タンパク質と呼ばれる分子が数多く存在し、機構を実現したり、物質を輸送したり、モータのような駆動力を与えたり、物質を貯蔵したり、情報処理を行ったり、と様々な仕事をしています。例えば、ヒトの細胞では、約10万種類ものタンパク質が多様な働きをし、細胞の維持、成長、増殖、分化、死(アポトーシス)を厳密に制御しています。タンパク質を「部品」と考えると、その種類は自動車以上であり、システムの複雑さは航空機を凌駕します。つまり、「細胞は巨大な制御システム」なのです。

その制御システムの中枢が「シグナル伝達系」です。情報・信号処理は、タンパク質によって実装されているため、私たちがよく知っている電気システムにおける回路とは「見た目」は違います。しかし、その動作原理は類似していることが分かってきたため、「情報・信号処理の動作原理を探求する制御工学」を用いて研究に取り組んでいます。

機械・電気システムにおける故障は、重大事故を引き起こす原因となるため、定期的な点検に加え、故障やトラブルに頑強なシステム設計が求められます。一方、細胞システムにおけるシグナル伝達系の故障は、癌などの疾病を引き起こす原因となります。困ったことに、現在の科学技術では、生きた細胞内の個々のタンパク質を十分な分解能を持って観察することはできません。従って、実験では捉えきれない部分に対して、相補的に制御工学を適用し、シグナル伝達系の解明を目指しています。具体的には、以下のテーマに関する研究に従事しています。


1)シグナル伝達系の動作原理、制御メカニズムの解析(基礎研究)
2)細胞の癌化のメカニズムの解析(基礎研究)
3)シグナル伝達系の優れた制御機構の実システムへの応用(応用研究)
4)上記1、2)を応用した医用バイオチップの開発(応用研究)

細胞の制御メカニズムを解明し応用する研究テーマ

 

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