前田 誠助教

助教

前田 誠

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3次元形状モデルに基づく物体認識

コンピュータに人間の視覚機能を実現しようとする研究領域(コンピュータビジョン)に関心があり、特に、対象物の3次元形状を表現したモデル(形状モデル)を用いて、物体を認識する問題に取り組んでいます。これをモデルベース物体認識と言います。この処理過程の概念図を図1に示します。
人間の視覚が両目で奥行きを知覚できる(両眼立体視)ように、工学的にこの原理を利用すれば、カメラから対象物までの距離を画素値としてもつ距離画像(レンジデータ)が取得できます。しかしながら、こうして得られた3次元情報は、単純な3次元点群にすぎないので、このままでは形状はわかりません。そこで、形状モデリングによって物体を3次元形状モデルで表現し、これを通して対象物を認識しようとするのが本研究の目的です。
さて、この実現にはいくつか解決しなければならない問題があり、まず、対象物体をどれくらい精密なモデルで表現するかが考えられます。例えば、リンゴを対象とした場合、人間ならば、形が少し変形していても、かじられていても、その形だけをみてリンゴと認識できます。しかし、コンピュータではモデルを精密に作れば作るほど、そのような変形に対応しづらくなります。そのため、本研究では単純に高精度のモデルを作るのではなくモデルの記述精度を適材適所で変更可能な多重解像度形状モデリング手法を開発し、その応用を目指しています(図2)。また、複雑な形をした物体がいくつも置かれた状況下でレンジデータを取得した場合、どのように分割してモデリングを行うかといった問題が生じます。そのため、レンジデータを類似した形状を持つ領域ごとに分割するセグメンテーション手法の開発も行っています。
一方、このような処理過程で物体認識を実現するには、既にデータベースに登録されているモデルと新たに観測された距離画像から構成したモデルとの照合を実現する必要があります(図1)。このとき、直接モデル同士を照合するのは非効率であるし、上述のように少しの変形で物体認識に失敗する可能性が出てきます。そこで、このような照合を効率的に実現するための手法を開発しています。

図1 モデルベース物体認識の処理過程
図1 モデルベース物体認識の処理過程
図2 多重解像度形状モデリングによる特徴点検出例
図2 多重解像度形状モデリングによる特徴点検出例
 

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